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山田です。住宅ローン関連の記事多めです。たまに関係ない記事もありますので、ご注意ください。

住宅ローンの借り換えは金利だけで検討すると痛い目に合いますよ

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住宅ローン(固定金利の指標となっている長期金利(長期国債 新発10年物の利回り)ですが、2016年2月中旬あたりからマイナス街道をひた走っています。

その影響もあって、3月適用分の住宅ローン金利(特に固定金利)は、どの銀行も軒並み引下げを行なっています。

三井住友・みずほ・住信SBIなどの主要8行では、借り換えの申込み件数が前年同月と比べて2.5倍に増えたそうです。

過去最低水準と言われていた金利が、日銀のマイナス金利政策の実施によって今まで見たことがない金利になり、しかも一部の期間選択型固定金利(3年固定や5年固定など)が変動金利を下回っている銀行もあるのですから、当然といえば当然ですよね。

「これだけ金利が下がったんだから住宅ローン借り換えしなきゃ!」

と思われているかもしれませんが、ちょっと待ってください。

一度、何か冷たいものでも飲んで気持ちを落ち着けてから、以下の内容を読んで借り換えを検討していただけたらと思います。

金利が下がっても毎月の返済額下がらない

現在、借りている住宅ローン金利が低くなれば返済額も低くなるのは当然ですよね。ただ、これが「借り換え」をするとなると少し事情が変わってくるのです。

単純に金利だけを比較すれば、低い方が返済額は下がるわけですが、借り換えをする際にはさまざまな費用が必要となってきます。

・抵当権設定登記(抹消登記)
司法書士報酬
・印紙代
・事務手数料(融資手数料)
・保証料

ザッと挙げただけでもこれだけあります。

もし、繰上げ返済を予定していて、資金に余裕があるのであれば何の問題もないのですが、もし、これらの費用を借り換え時にローン残高にプラスしたいと考えているのであれば、ローン残高に諸費用を含めて返済額の計算をしないといけません。

当たり前の話のように思われるかもしれないのですが、意外と見落としてる人が多いんですね。

特に「とにもかくにも行動すること」を信条にしているタイプの人は、これをよくやってます。ザックリと把握しただけでドンドン行動しようとしますので気をつけてください。

で、結局フタを開けてみたら、借り換え前と返済額がほとんど変わらなかった、または逆に増えたなんてことも十分に考えられます。

銀行によって異なる諸費用の額

住宅ローンの借り換えをする際に発生する諸費用は先述したような項目で発生します。

分かりやすいように例を挙げてみましょう。

借り換え時の住宅ローン残高 3,000万円
残返済期間 30年

抵当権設定登記 120,000円
抵当権抹消登記 2,000円
司法書士 報酬 60,000円
印紙代 20,000円
事務手数料 648,000円
保証料 600,000円

合計 1,450,000円

あくまでも概算ですが、3,000万円(返済期間30年)の借り換えをしようとすると145万円もの諸費用がかかってくるというわけです。

保証料に関しては、住宅ローン金利に0.2%程度上乗せして支払う「内枠方式」がありますので、諸費用から省いたとしても85万円です。

ただ、この諸費用は銀行によって変わってきます。

ソニー銀行の場合

抵当権設定登記 120,000円
抵当権抹消登記 2,000円
司法書士 報酬 60,000円
印紙代 20,000円
保証料 0円
事務手数料 43,200円(住宅ローン金利プラン)

合計 245,200円

新生銀行の場合

抵当権設定登記 120,000円
抵当権抹消登記 2,000円
司法書士 報酬 60,000円
印紙代 20,000円
保証料 0円
事務取扱手数料 108,000円(安心パック)

合計 310,000円
※借り換え時に事務取扱手数料を借入金額に含めることができません

りそな銀行の場合

抵当権設定登記 120,000円
抵当権抹消登記 2,000円
司法書士 報酬 60,000円
印紙代 20,000円
保証料 574,110円
融資手数料 648,000円

合計 1,424,110円

保証料は金利に0.2%上乗せする内枠方式での支払いが可能です。その場合、合計は850,000円になります。

代表的な銀行の諸費用概算を出しましたが、それぞれの銀行によって金額が異なりますし、借入金額に含めることができるもの、できないものがあるということがお分かりいただけたかと思います。

まとめ

ここまでお読みいただければ分かるかと思いますが、住宅ローンの借り換えは金利だけで判断してしまうと、痛い目に合うというわけです

ひょっとしたら「銀行によってこんなに諸費用が違うの」と思われたかもしれませんね。

ここで挙げた、ソニー銀行新生銀行などは保証会社を使わないタイプの住宅ローンということで保証料が0円に設定されています。

ただ、これは保証会社を通していない分、住宅ローンという大きな金額を貸し出すリスクというものが銀行側にあるので、審査に時間がかかったり基準が厳しくなっているといった可能性も十分に考えられます。

住宅ローンの借り換えを検討するのであれば、金利同様、上記の点も十分に考慮してから申込みすることをオススメします。