保証料なしの住宅ローンで失敗しないために
日銀が導入したマイナス金利政策の影響で、長期金利(長期国債 新発10年物の利回り)がマイナスになりました。
そのおかげ(?)で住宅ローンの金利が下がり、借り換えをする人がかなり増えているようです。
借り換え先として人気がある銀行
借り換えをする際に一番基準としているのは金利だと思います。
当然といえば当然ですが、現在借入れしている金利より低くならないのであれば借り換えをする意味がありません。
その中でも人気なのが、住信SBIネット銀行やイオン銀行、ソニー銀行、新生銀行といった、いわゆる新たな形態の銀行が提供している住宅ローンです。
これらの銀行は、マイナス金利政策が実施されたされていない関係なしに金利が低かったのですが、マイナス金利が実施されたことで特に金利が低くなったといったところが人気の原因ではないでしょうか。
しかも、住宅ローン借入時に必要となる保証料なしがほとんどです。このことによって諸費用が抑えられるというのは非常に魅力的です。
都市銀行や地方銀行では、この保証料が必要となり、諸費用として借入金額に乗せるか、自己資金で支払うか、または金利に0.2%上乗せした形で毎月支払っていくかという形になります。
住宅ローンを借りる側からすると、余計な費用を支払わないで済むというということで、住宅ローン選びのポイントにもなっているのかもしれません。
そもそも保証料ってなに?
では、この保証料っていうのはなんでしょうか?
そもそも、保証の仕組みは、住宅ローンを組むときに金融機関の指定する保証会社に借主がお金を払って保証人となってもらうというものです。
その費用が保証料というわけです。
こういった仕組みから、実質的に住宅ローンの審査は、保証会社が属性や物件の担保評価をして判断しているといっても過言ではありません。
大手の都市銀行などは、子会社として保証会社を持っているケースがほとんどで、地銀などは外部の保証会社を利用していることが多いです。
では、なぜ住信SBIネット銀行やイオン銀行、ソニー銀行といった銀行は保証料が発生しないかというと、単純に保証会社を利用していないからです。
つまり、独自の審査基準をもって属性判定や担保評価を行なっているということです。
保証料なしの住宅ローンを利用するときの注意点
3,000万円の借入れで返済期間が30年であれば、おおよそ60万円の保証料が必要となりますが、これがなしになるというのであれば、保証料なしの住宅ローンを選択しますよね。
ただ、この保証料なしの住宅ローンを利用するにあたって注意して欲しいことがあります。
審査が厳しい可能性がある
なぜ、厳しくなる可能性があるかというと、保証人がいない人に融資をして、万が一、その人が返済不能な状態に陥ってしまったら銀行側は全額回収できないというリスクを被らないといけません。
これが、保証人がいる人(保証会社がついている人)であれば、保証会社が債務を代位弁済してくれるので貸す側としてはリスクヘッジできるというわけです。
となると、保証人なしの人に住宅ローンといった大きな金額を貸し出すにあたり、借主の返済能力や物件の担保を厳しく査定するというのは当然の話です。
事務手数料が高額になることがある
銀行によっては融資手数料といったりしますが、保証料がなしといったところは事務手数料が高くなる可能性があります。
中には、「定率型」と「定額型」から選択できるものがあります。
イオン銀行の場合であれば
「定率型」
借入金額✕2.16%(最低取扱手数料 216,000円)
「定額型」
一律 108,000円
といった具合に設定されています。
「えっ?定額型の方が安いのに、わざわざ定率型を選ぶ必要ってあるの」
と思われたかもしれません。確かに定額型の方が金額は安いのですが、定率型を選択した場合と比べて借入金利が0.2%高くなります。
つまり、保証料を内枠方式で支払うのと変わらないというわけです。外枠方式(一括払い)に比べれば金額としては低いのですが、こういった点を考慮していないと、借りてから後悔するなんてことにもなりかねません。
延滞などがあった場合、早めに債権回収を行う可能性も
先述したように、借主の返済能力や担保評価に関して厳しく判断して融資をしたとしても、経済状況等によって返済が遅れがちになったりということも可能性としてあるわけです。
保証会社をつけて融資しているのであれば、債権を回収できないといったリスクはグッと減るわけですが、保証会社を使わないとなると、貸したものが返ってこない可能性が高くなるわけです。
となると、延滞などがあった場合、一般の銀行に比べて早い段階で競売などの債権回収に走るといったことも考えられます。
そもそも、そんなに無理して借りるんじゃないって話ではあるのですが…
まとめ
新規で借入れをするにしても、借り換えをするにしても、できるだけ低い金利・安い諸費用で借りたいというのは当たり前の話です。
ただ、引下げ率が高い金利プランや保証料なしといった前面に押し出されている数字や文字だけを見ると、非常に好条件に思えてくるのですが、よく調べてみると以外に諸経費がかかったり、諸経費を抑えたいあまり、金利がそれほど低くならなかったりといったこともあります。
低金利の商品を見つけたら、借入にかかる経費をしっかり調べて、ザックリでもいいので算出してみる。わからないところは電話等で確認するといった準備をすることが、住宅ローンで失敗しない術です。